はじめに
今年は、私たちの購買行動に様々な影響から大きく変化がある一年となりました。
2020年10月1日から始まった酒税法の税率改正に伴い、ビール、発泡酒は値下がり、第三のビールは値上げとなりました。
また、今年は、新型コロナウイルス感染拡大により、家にいる時間が増え、その影響により、外食を控え、自炊や出前、テイクアウトなどが増加するなど私たちの生活は大きく変化した一方、マスクをはじめとしてトイレットペーパーや食品の買い占めなど、日本だけではなく世界中で問題となりました。
そこで、今回は、私たちの生活や購買行動に焦点を当て、酒税法の税率改正に伴う購買行動の変化や、コロナウイルス感染拡大の影響による自炊、食品備蓄の状況の変化を調査いたしました。
調査対象:20~60代男女 合計1,000名
調査期間:2020年12月1日
昨年(コロナ禍前)より自炊の頻度が増えた人は32.7%!
今回調査した項目のうち、まず「お酒」について見てみると、お酒を『購入しない』と回答した人が最も多く、お酒を購入する人の中で最も多かったのが『週1回程度(22.8%)』であり、『月に1回程度(18.0%)』、『それ以下の頻度(16.7%)』と続く結果となりました。
また、2020年10月以降のお酒の購入頻度を聞いたところ、購入頻度が「増えた」「やや増えた」と答えた割合が最も多かったのが『ビール(17.3%)』であり、次いで『第三のビール(14.5%)』、『ワイン(9.8%)』、『日本酒(8.1%)』と続き、酒税法の税率改正に伴い、ビールの値段が下がったことにより購入頻度が増えたことなどが考えられます。
次に「自炊」についてみてみると、昨年(コロナ禍前)と比べて自炊の頻度が『増えた(15.0%)』『やや増えた(17.7%)』と回答した人を合わせると32.7%となり、さらに、自炊が増えた人の中で食費が『増えた(25.4%)』『やや増えた(31.8%)』と回答した人を合わせると57.2%となり、全体の約2割の人が自炊が増えたことで食費も増える結果となりました。
約8割の人は日頃から食品を備蓄している!?
次に「食品の備蓄」についてみてみると、日頃から食品を備蓄している人は78.1%と8割近い結果となりました。また、備蓄している食材について聞いてみると、『米やパン(73.2%)』が最も多く、『カップ麺や乾麺(65.2%)』『缶詰(56.7%)』『冷凍食品(51.6%)』『麺類(51.6%)』と続く結果となりました。
また、昨年(コロナ禍前)と比べて備蓄の量が変わったかどうかを聞いたところ、備蓄の量を『増やした(6.9%)』『少し増やした(23.2%)』と回答した人を合わせると30.1%となり、3割の人が新型コロナウイルス感染症の拡大後に備蓄を増やしたことが明らかとなりました。
今回の調査結果のまとめ
今回の調査結果からは、酒税法の税率改正に伴う購買行動の変化や、コロナウイルス感染拡大の影響による自炊、食品備蓄の状況の変化が起きていることが明らかとなりました。
まず、酒税法の税率改正によって、「ビール」の値段が下がり、購入頻度が増えた人が2割近くいる結果となりました。
また、自炊に関しては、昨年(コロナ禍前)と比べて自炊の頻度が増えたと回答した人は約3割であり、その中でさらに食費が増えた人は約6割と、全体の約2割の人が自炊が増えたことで食費も増える結果となりました。
次に、食品の備蓄についてみてみると、日頃から食品を備蓄している人は78.1%と8割近い結果となりました。また、 備蓄している人の約3割の人が新型コロナウイルス感染症の拡大後に備蓄を増やしたことが明らかとなりました。
自炊が増え、食費が増えたと回答した人の約9割の理由が「食材を購入する量が増えたため」だったことから、食品を備蓄する人が増えたことで食費が増えたことも理由の一つとして考えられるのではないでしょうか。